コピックは蓋を開ければ鮮やかな色が使えるのが魅力
— コピックを使い始めたきっかけと時期を教えて下さい。
川名:店頭でコミックマーカーと一緒に見つけ購入いたしました。わたしが小学校5年の時です。店頭のポップか何かを見て、「これなら!」と思った記憶があります。
— 最初に手にされたのは、何色ですか?それは、どういった選び方だったのでしょうか?
川名:E02という濃いめの肌色でした。キャップの色だけで判断したのだと思います(笑)
— コピックのどんなところが気に入っていますか?
川名:蓋を開ければそのまま描けて、インクの補充ができ、発色が鮮やかなところです。わりとものぐさなので、手軽さに本当に助かってます…!
— では、好きな色は何色ですか?
川名:最近のお気に入りの色はY21ですね。黄色っていうとやはり鮮やかなのを使いがちですが、この色は少し落ち着いた色味でとても重宝しております。Y21からY000のグラデーションはベースにもよく使用します。
— 川名さんならではのテクニックや工夫などはありますか?
川名:うーん、うーん、たくさんの色を重ねて深みを出していく、ということでしょうかね…。その中で自分の表現したい色をどう使っていくかを考えたりしてます。例えるなら、薄いピンクを表現したくて、あえて影にはどぎつい濃い色を持ってくる、みたいな。
瞳が一番大事!
— 作品制作について、描くのが好きなモチーフや、気合をいれる部分はどこですか?
川名:肌はやはり失敗しづらいのでたのしいですよね!やはり一番大切にしてるのは瞳です。閉じていようが開いていようが半目だろうが瞳だけはいつでも真剣に塗ります。他が完成していても瞳が失敗したのならボツです。なので比較的早めに瞳を完成させちゃったりします。
— 絵を描く際に参考にしているものはありますか?
川名:私まず、おもちゃでも類似品でも実物が手に入る(見れる)ならそれが一番だと考えています。花とかは買ってバラしたりする他、実際に見に行って写真を撮ったりムービーをとったりすることもあります。(紫陽花なら鎌倉に見に行ったり)それが難しい場合は、ひたすら図書館に入り浸ることが多いですね。特に恐竜の骨なんかは、特別展だけでは情報が少ないので、図書館に加え、似てる動物たちの剥製のある博物館にいったりもします。魚を描くなら、水族館と海。アイデア出しのために散歩がてらいったりもしますよ!
— どこから塗っていく、というのはありますか?
川名:わたしのイラストのメインは女の子なので、女の子からですね。塗りの場合は、全体的に手を加えていきます。色を重ねる際、下の色が乾いてからでないとぱきっとした塗りにはなりませんし、かといってずっと待ってるのも時間が勿体無いので、できるところからどんどん進めていきます。ただ、特殊なことがない限り必ず最初は肌色です。
— 1枚の作品を仕上げるのに、かかる時間はどのぐらいですか?
川名:サイズと気合と環境によるのでノーコメントです。ただ、描くのが早い方とはよく言われますね。
— 制作の際に、紙の選び方で重視していることはありますか?
川名:安価で、廃盤にならなくて、ずっと使っていけるもの。案外分厚い紙は好きじゃなかったりします(笑)あっさりしてるものが好きですね。
— 主線に使っているものはなんですか?
川名:以前使用していた商品が、現在はもう生産終了しているので、最近はマルチライナーのワインです。ワインを使用する理由は、肌が明るく見えるからです。もっと赤みが強く深い色合いだと良いのですが…!ぜひ…!笑
— コピック以外で使用している画材はありますか?
川名:油性の色鉛筆ですね!コピックで塗る時も、最近は色鉛筆がなければ完成しないですね。
「白い逆光」について
— 今回のイラストについて伺えますか。
川名:このイラストは、「白い逆光」を表現しています。 描き方としては、オペークホワイトを塗り終わった逆光効果を出したいモチーフの上に置き、光の向きに合わせて指で伸ばす方法で描きました。 紙はコピック専用の色紙を使用しています。 伸びもよく、たくさん載せても薄く伸ばすと描き上がったモチ ーフが透けるように見えます。一通り指で伸ばしたら、今度はさらに強い光がモチーフの後ろからこぼれてくるようなイメージで、オペークホワイトのブラシを使い細い線をのせました。
— オペークホワイトのブラシは、どうでしたか?
川名:ブラシ付きなので細い線もくっきり描けますし、コピック用のホワイトなので何度も重ね塗りせずともはっきりとした白い線が描けます。もちろんインクがそのまま使用できるので、つけペンの先につけて筆とはまた違った強弱のある使い方も可能です。最近はホワイトと聞くと、修正することだと思う方がたくさんいらっしゃると思いますが、こちらのオペークホワイトブラシ付きは、白で「描く」ということを幅広く表現できる製品だと感じました。修正やハイライトにはもちろんですが、コピックの強い色合いも淡い色合いも、使い方次第でぐっと引き締めてくれる素晴らしい画材だと思います。
*川名さんによるオペークホワイトの使用例はこちらで詳しく紹介しています。