ajico
コピック愛好家
岡山県在住。
食べ物、自然の絵を好んで描く。
食べ物や動物をモチーフにしたイラストが印象的なajicoさんに、コピックとの関わりについて伺いました。
コピックは準備と片付けが楽で、綺麗な色が使えるのが魅力
— コピックを使い始めたきっかけと時期を教えて下さい。
ajico:高校生の時、雑誌でコピックメイキングを見て、自分もこんなに美しく塗ってみたいと思って購入しました。1年くらい使用していましたが、専門学校へ進学してからアクリルガッシュメインになり、使わなくなってしまいました。卒業してからは全く絵を描かなくなってしまったのですが、子どもが少しずつ手がかからなくなってきたので、2年くらい前から再び趣味の絵を描き始めるようになりました。その時に誕生日プレゼントとして新たにコピックを買ってもらいました。
— コピックとの出会いはかなり昔だったのですね。
ajico:そうですね。昔過ぎてよく思い出せませんが(笑)最初は、当時好きだったキャラが塗れる色をまとめて購入したと思います。因みにその頃はコピックとコミックマーカーの違いもよくわからずに購入していました。
— コピックのどんなところが気に入っていますか?
ajico:準備、片付けが楽ちんなところ、乾くのを待たなくてよいところ、綺麗な色。売り場でグラデーションに並んでいるコピックを見てとてもテンションが上がります!
— たくさんの色が並んていると興奮しますよね!何色がお好きですか?
ajico:おいしい色と勝手に呼んでいるE系の焼き菓子みたいな色と、作例を担当させていただきましたチャオ36色セットCにも含まれていて、必ずと言っていいほど使用するYR23と、色ではありませんが0番です。
— コピックを使う上でのテクニックや工夫はありますか?
ajico:0番を多用した塗りです。以前Twitterでも公開したのですが、0番を使用してベースの色から麺を抜いて描いてみたり、生肉のサシを抜いたり、ご飯を一粒一粒色を抜いて作り上げるのはとても楽しいので、ぜひ皆さんにも試していただきたいです!
ブロードを使った作画について
— 多くの方が、イラスト用としてはブラシニブを使われる中で、ajicoさんは、主にブロードニブを使われているとのことですが、どういった理由でしょうか?
ajico:コピックを使い始めた頃は私もブラシニブを使っていたのですが、いつの間にかブロード側をメインで使うようになりました。きっかけはコピックを手に取って塗ろうとした時、キャップを開けたらたまたまブロードニブ側だった事。でも持ち替えるのがめんどくさいからこのまま塗ろうと思って…本当にめんどくさがりなので(笑)
— 単純に偶然の産物だったのですね。
ajico:はい、それでも実際に塗ってみると、案外使いやすいぞと思ったんです。広範囲もコピックを寝かす事なく手早く塗れるし、ブラシのようにクネクネしないので力の入れ方も比較的均一にできる。四角いタッチが残ってもそれはそれで良いアジとして取り込んでしまえばいいのではないかと思います。
— 確かに、ブロードで描かれたイラストには、タッチの味がありますね。
ajico:後はガシガシ塗れる事が私の塗り方に合っていたというか、特に食べ物メイキングをご覧いただけるとよくわかるのですが、ベースをまずブロードで物凄く適当に塗ります。そこから0番、もしくは他の色で抜いたり描いたりしていきます。
— ブロードした紙面というのは、色抜きしやすいのですか?
ajico:そうですね、この「ブロードで適当にムラも気にせず塗る」という事がとても重要なんです。ムラになっているインクの薄いところが色を抜きやすく、濃いところが程よくベースの色を残し、立体感に繋がっていくように色の足し算、引き算を繰り返して食べ物が出来上がっていきます。出来上がるまではひたすらガシガシカクカク ブロードで塗っていきます。とても楽しいですので皆さんもブロードぜひ使ってみてください!
水彩紙にコピックの組み合わせが一番しっくりくる
— 作品制作について、描くのが好きなモチーフや、気合をいれる部分はどこですか?
ajico:食べ物です!!もっと修行を積んで見て下さる方の五感を刺激するような食べ物が描けるようになりたいです!!
— 絵を描く際に参考にしているものはありますか?
ajico:スーパーのチラシや、スーパーに…“ご自由にお持ち帰りください”と置いてある、お料理レシピがパンフレット状になっているものを持ち帰り、おいしそうだなァ……と凝視したり妄想したり、質感などを参考にしています。後は、実生活の中で毎日畑の横を通るのですが、季節の野菜はピカピカで美しいなぁとか、子どもが通う幼稚園のみんなの工作や、おままごとの様子を見ても物凄く刺激を受け、制作の参考になっています。
— 1枚の作品を仕上げるのに、かかる時間はどのぐらいですか?
ajico:A4で20〜30時間程です。
— 制作の際に、紙の選び方で重視していることはありますか?
ajico:「0番で抜きやすい事」です!ヴィフアールの中目を愛用しています。0で抜きやすくて大好きです。これまで色んな紙を試してみましたが、初めて試した時、コピックをシュッと払ってみて直感で「コレだ〜!!!」と思いました(笑)因みに細目も荒目も試してみたのですが、私の塗りに1番しっくりきたのは中目でした。
— 主線に使っているものはなんですか?
ajico:最近はシャーペンを使う事も多いです。マルチライナー0.05のセピアやウォームグレーなどを使うときは、あまり主線を主張させたくないので目立たないようにうすーく描きます。パーツで色を変えたりもします。麺やご飯など、主線を描かずに一発描きの事もたまにあります。
— コピック以外で使用している画材はありますか?
ajico:焦げ目や影をしっかり目につけたい時、マルチライナーに助けてもらいます。それ以外は今のところコピックのみです。過去に使用した事もあるのですが、いつか色鉛筆も積極的に取り込めたらと思っています。
「四季連作」について
— 今回のイラストについて伺えますか。
ajico:とにかく大好きな食べ物と動物の絵を描きたかったので、面白い絵を描きたいと思って描きました。日本には四季それぞれの美しさがあるのでこれからも意識して作品を作っていきたいです。
— 今回は、コピックチャオ36色セットCを中心に使用されましたが、どうでしたか?
ajico:普段、濃い色を使用したメリハリのある着色を好んでいる私にとって、淡色の多いCセットのみを使用した作例作りはちょっとした冒険でした。しかし、作品を作り続けるうちに、混色、重ね塗りでセットにない色を自ら作り出していく面白さに感動し、 また、このセットを使用しなければ出会う事がなかったかもしれない色も新たにお気に入りに加わりました。
— この連作でもブロード側がメインなのでしょうか?
ajico:はい。作例の4枚のイラストは全てブロード側を主に使用して塗っています。ブラシ側よりも若干発色がやわらかく、広範囲も素早く塗る事ができ、 ブロードの四角いタッチもよい味になるのでおススメです。コピック初心者の方も、「セット縛り」に挑戦したい方にも 使いやすい チャオ36色セットCをぜひお手に取っていただきたいです。
今回の制作で使用していただいたセット
コピックチャオ36色セットC:9,000円(税別)ストアで表示
透明感のある淡いイラストを描きたい人におすすめ
薄く明るめで、ほどよく各色相の色が揃ったセットです。透明感があって淡いイメージです。
コピックチャオ36色
BV13 / BV23 / BV31 / V000 / V06 / RV000 / RV06 / RV13 / R00
R05 / R11 / R22 / YR16 / YR23 / YR31 / YR61 / Y11 / Y15
Y21 / YG00 / YG23 / YG63 / G000 / G07 / G14 / BG05 / BG34
B02 / B12 / B60 / B63 / E11 / E31 / E50 / E53 / E71