武藤隆

武藤隆(c.tom)ブログ
パースクリエイター / イラストレーター
都市の再開発等の未来予想図やビルのファサードデザインを手掛けており、建築系の学校[スペースデザインカレッジ]で講師を務める。
好きな光景のスケッチや街歩きが趣味で「c.tomのスケッチ倶楽部」を開講し、多くの方にコピックを使ったスケッチの楽しさや方法を伝える活動も行なっている。

パースイラストのお仕事だけでなく、風景画やカーイラストなどの趣味の領域でも幅広くコピックを使って創作活動をされている武藤さん。長いキャリアの中で積み上げられた、コピックとパソコンを組み合わせる使い方や、コピックとの関わりについて、お話を伺いました。

効率化の果てに辿り着いたコピック

— コピックを使い始めたきっかけと時期を教えて下さい。

武藤:建築パースの仕事を始めたばかりの頃、デパートの全館改装のパースを描くことが多く、水彩では膨大な量のパースを描くのに、とても間に合いませんでした。水彩は乾燥が必要で、ドライヤーを用意しながらの作業ですからね。そこで、会社にあったスピードライマーカー※ を使うようになりました。図面はトレーシングペーパーに描くのですが、表から線画を描いて、裏からマーカーで色を塗って、メリハリをつけたい部分は表からもマーカーで塗るという手法でした。いざ使ってみると、マーカーの方が断然速く、水彩に遜色ないものが描けました。

作業風景

※スピードライマーカー:コピックの前身となったデザイン用油性マーカー。コピートナーのインクを溶かしてしまうという欠点があった。

 

— では、完全にマーカーに移行されたのですか?

武藤:実は、マーカーを使うようになった後も、重厚感の求められるビルなどは不透明水彩を使っていました。2つを並行して使っている期間は長かったです。でも、パソコンが出てきて状況が変わりました。まず、データ納品になったことで描いた作品の原画をお客様の元に持って行くことが無くなりました。また、パソコンで加工すれば良いので、不透明水彩で重厚的な絵を描く必要がなくなり、修正も楽になりました。CGも一時期は取り入れていましたが、スピードを考えたら、また手描きに戻っていました。最終的に、描く部分はコピックに一本化できるようになったんです。

 

パソコンの登場でコピックがメイン画材に

— パソコンの登場でコピックの幅が広がったということですか?

武藤:そうですね。絵のベースを作り上げる上で、コピックは便利な道具です。ですが、道具も場所によって使い分けが必要です。例えば、建物の後ろに空を描きたいとしますよね?そうしたら、パソコンでグラデーションを作ってしまうか、コピックで空だけの絵を描いて、その素材を別レイヤーとして重ねるのが簡単です。つまり、大きなところのグラデーションや合成はパソコンが便利ですが、細かいところを塗るのはコピックの方が手早く簡単なので、仕事として短時間でクオリティを出すために、両方のいいとこ取りをしています。

レイヤー別作業例

— 作品を仕上げるのにかかる時間はどのぐらいですか?

武藤:1つの案件で、複数点のイラストを描きますが、期間はだいたい1週間強ぐらいです。制作中に建物の設計が変わることも多く、締め切りの前日に大きな変更があることもあって、描き進めてしまっていると大変です(苦笑)

— 効率化を求めたから、パソコンとコピックを併用できたのですか?

武藤:理由は効率化だけではありません。学生の頃の画塾の先生が「絵というのは何を使ってもいい」と言っていたのが今でも記憶に残っていて、その影響ですね。私はジャンルとか縛りというのを考えるのは好きじゃないです。アート作品として自分の求めるものができるなら、なんでも使うつもり。今でもそうです。

ワークスケッチ一例:中国の銀行1 ワークスケッチ一例:中国の銀行2

トナーグレイの色味がちょうどいい

— 製作環境について伺います。コピック以外に普段使用している画材はなんですか?

武藤:紙はPMパッドを昔から使用しています。コピックはPMパッドが一番描きやすいですね。主線にはマルチライナーを使いますが、細さの決まっているもの以外に、ブラシタイプのBSやBMも良く使います。シュッと黒く締まった生きたような線が描けるんですよ。

— コピックで好きな色は何色ですか?

武藤:青系の色とグレイが好きです。青は遠くに使うと空間感を出すことができますし、影にも使いやすいので、沢山持っています。また、グレイではT(トナー)が好きですね。C(クール)は絵には冷たすぎるし、W(ウォーム)は重ねるとセピアっぽくなる。そうなると、N(ニュートラル)より少し暖かいTが丁度良い感じです。出かけるときも、T数本とマルチライナーを持っていきますね。このイラストは、Tを使って合掌作りをモノトーンで描いたものです。

京都街並みスケッチ

コピックだからこんなに沢山描ける

— お仕事以外に、描くのが楽しいモチーフは何ですか?

武藤:お城が好きなので、パソコンで地図のスクリーンショットを取って、その上に当時のお城の様子を資料を元に思い浮かべながら描いていくのが楽しいですね。

— 絵を描く際に地図以外に参考にしているものはありますか?

武藤:実際に出かけた街だけでなく、海外の町歩きの番組などを録画して、模写したりします。「お散歩で入っていきたいな」を思える風景を描けるように心がけています。

景観スケッチ1 景観スケッチ2

— お仕事の気分転換は何ですか?

武藤:仕事の合間には、付箋に絵を描いたりして気分転換をしています。絵の気分転換が絵というのも変かもしれませんが(笑)車を描くのも好きなので、付箋に描きためたり、はがきサイズに描いたりもします。仕事の絵も含めて、趣味でもこんなに沢山の絵が描けるのは、手軽に描けるコピックならではですね。

— コピックを使っている他の方へのメッセージはありますか?

武藤:いろいろな仕事の現場でコピックが使われているのを目にしますが、ラフでの使用が多く、緻密なところに使われていないと感じています。もっと、クオリティの高いイラストが描ける画材であると伝えたいですね。また、パソコンとの組み合わせでもっと世界が広がることをお知らせしたいです。つまり、カラーで描いたものをモノクロにして遊んだり、1枚の絵を加工して楽しむという切り口もあるということです。もちろん、コピックだけでも作品は成り立ちますが、パソコンを加えるともっと楽しくなるというのも知ってもらえると嬉しいですね。

気になって沢山描いてしまいました

— 今回のコミックイラスト24色セットについての感想をお願いします

武藤:このセットのみを使って描く話を聞いてから、気になって沢山描いてしまいました(笑)。複数名にそれぞれ同じセットを使用して絵を描いてもらうというこの試みは、同じセットの24色を使っていても、描き手によって味が変わるのが面白いですね。道路を普通にグレイで塗ると面白くないので、紫系を使ってみました。

コミイラ24色しばり1 コミイラ24色しばり2 コミイラ24色しばり3

スペースデザインカレッジ

インテリア、建築の両分野に精通したインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーを育成する専門学校。
武藤さんは、パースクリエイターとしてインテリアパース教科を担当しています。 詳しくはこちら

c.tomのスケッチ倶楽部

月に1〜2回、日曜日に株式会社Too本社の虎ノ門オフィスを拠点とし、スケッチ教室を開催しています。
基本的にコピックを使用し、初心者・経験者問わずスケッチが楽しめるような講座が人気です。 詳しくはこちら

今回の制作で使用したセットは、こちら

コミックイラスト24色セット:9,120円(税別)ストアで表示

コミックイラストをはじめる方にぴったりの厳選セットです。各系統の基本色と、混色に便利な色をチョイスしています。

コピックスケッチ24色

コピックスケッチ コミックイラスト24色セット

コピックスケッチ コミックイラスト24色セット


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